トップページ区政にチャレンジする理由 > 3期12年の経験、区政への志を新たに(2023年)

3期12年の経験、区政への志を新たに(2023年)

巨星堕つ、区の転換点を迎え区政への志を新たに

2023年2月9日、高野之夫豊島区長が亡くなられました。謹んで哀悼の意を表します。
高野区長ほどの豊島区に対する愛情を持った政治家はいませんでした。それを原動力にした溢れる情熱、長い政治家人生で培った広範な人脈、人への愛情を持ち人の心をつかんでいくコミュニケーション能力、など、後進が容易には身に付けることのできない特性を持った稀有な政治家でした。
6期24年間、豊島区政を文字通りけん引して下さいました。そのうち、私は高野区政の後半に当たる12年間、議員として関わらせていただきました。高野区長に少しでも近づけるよう、自分自身の器を大きくしていきたいです。

「子供たちの世代へ責任ある政治を!!」原点は現役世代として次の世代へバトンを繋ぐ責任感

私が政治を志した原点は、先人から受け継いだバトンを現役世代として次の世代へしっかりと繋ぐため、政治を通じて日本の抱える根本の問題を正し持続可能な社会を構築することです。
日本を持続可能な形で次の世代へ引き継ぐこと。
地方自治体に出来ることはソフトパワーを磨くことだと考えます。
関わった人たちが街を自慢したくなりその良さを継承したくなる、来街者からも魅力的な街となる、これが街を守ることにも繋がります。
その為に、誰もが安心して過ごせ、愛着の持てる豊島区を目指します。

安心して過ごすには、人々の思いやりに溢れ、互いに支え合い、治安や防災面が充実していることが必要です。愛着を持てるようにするには、その地域の歴史・伝統・文化を大切にすること、街並みや環境面を含め持続可能なものとすること。教育を通じて次世代へ継承していくことも欠かせません。また、これらを押し付けるのではなく、それぞれの主体の力を引き出していく環境づくりが肝要だと考えます。
安全安心を土台とし、豊島区の潜在力を引き出す、このことを意識して取り組みます。

私が判断基準とするのは以下の4つの観点です。

  1. 都民・区民のためになるかという都民ファーストの観点(根源)
  2. 公明正大な過程と内容を明らかにするための情報公開の観点(公平性・納得性)
  3. 様々な角度で検討、検証したかという賢い支出の観点(多様)
  4. 単に次の世代へ負担を先送ることになっていないかという持続可能性の観点(長期)

3期12年を振り返り

3期12年、豊島区議会議員として仕事をさせて頂く中で、志を立てた頃には気づいていなかったやりがいと役割への意識、政策実現のためのアプローチ方法の変化が生まれています。

一人一人の話しを聞くこと、地域の課題を察知すること

地域の声を届ける、ということはある意味当たり前のようなことですが、私が政治家を目指した当初は自分自身の実現したい政策に軸足が置かれていて、この役割の大きさをあまり意識できていなかったと思います。
2013年8月の南大塚1丁目のゲリラ豪雨対策では、地域の防災上の課題が露呈し、個々のご相談も多数伺いました。地域の声を集約して抜本的な対策を講じる、地域代表としての役割をこの時ほど意識したことはありませんでした。
防災の問題のように地域全体の課題だけでなく、個々の区民のご相談へ対応することも多数あります。様々なご事情を抱えたお一人お一人の課題解決も大切なことと受け止めています。
地域が抱える課題の一つ一つへ丁寧に対応できるのは、地元で活動する地方議員ならではの活動です。
3期12年豊島区政に携わることを通じて、人脈が広がり、地域や行政などとの信頼関係も積み上げてきました。現在では区民の方からご相談を受ける際、経験・人脈・信頼関係を基にした対応が可能となり、以前よりもお役に立てる場面が増えているのではないかと感じます。それでも全ての課題へ十分に対応できている訳ではありません。
地域や地元住民が抱える課題に向き合い、極力解決に向けて活動することにやりがいを感じると共に、地域を代表して地域の声を届ける責任を認識し役割を全うできるよう努力いたします。

政策実現のためのアプローチ方法の変化

政策の目的は変わらなくても、実現のためのアプローチ方法は大きく変わりました。ここでは教育を例に挙げます。
日本の抱える多くの問題の根本には教育の問題があると私は考えております。「知識・技術」の教育だけではなく、「人格・教養」教育との両輪にすることが必要です。
教育政策を提案する際、当初は教育内容や教材を変えていくことに取組みましたが、このアプローチではうまく進みませんでした。
そこでまずは教育の環境整備を行う、というアプローチに切り換えました。教育の環境整備とは、校舎・体育館やICT機器・備品などの設備面を充実させること、教職員の働き方改革を通じた職場環境改善、家庭や地域が子供たちの教育をサポートする仕組みなどを含めたものです。
孟子に「恒産なくして恒心なし」という言葉があります。安定収入がないと安定した道徳心を発揮することは難しい、という意味ですが、これは教育現場にも当てはまると考えます。日々の仕事に忙殺されている状態は「恒産がない」ような状況であり、これでは教員が安定した力を発揮することは難しいでしょう。それゆえに、教員が子供たちに向き合える時間を増やすことが肝要だと私は考えています。
教育のツールであるICT機器・備品などは新築校・未改築校の格差を縮めていくことには、教育環境をできるだけ公平にする目的があります。
家庭や地域との協働を深化させることは、学校へのサポートに止まらず、子供たちの居場所の多様化にもつながります。さらに、子供たちへ地域の歴史・伝統・文化を伝える機会となり、思いやりと支え合いの精神が育まれていくと考えます。
まずは教育環境の整備から取り組むということは、私が掲げていた課題意識からは迂遠のように当初は思いましたが、実は必要不可欠な取組みだったのだと今では考えています。
子供の虐待を防止する取組みとして、親への教育や啓発だけではなく「イクボス宣言」というアプローチ方法を選んだのも似たような発想です。
大義を掲げてただ突き進むのではなく、共感を得ながら大義に向けて進んでいく、このようなアプローチを心がけています。

個々の力量を挙げ、議員の質を高める

地方議員には、行政と地域との懸け橋となり、双方の意見や考えを分かりやすく伝える通訳のような役割があります。課題に直面した場合の対応には、知識・経験に裏打ちされた交渉力・調整力などが必要になりますが、これには個々の議員で力量の差がでます。
しかしながら、全く自身の実力を磨かず、議会での質問さえも役所に作ってもらうような議員も残念ながら存在します。そのような議員に区政のかじ取りを任せるわけにはいきません。
不断の努力を行い自分自身の力量を上げ、知識と経験を駆使し地域のために役立てるよう精進します。また、私が所属する会派では、後進への教育をしっかりと行うことで、個々の議員の質を高める努力を払うことをお誓いします。

政治に対する信頼感・安心感を取り戻す

マックス・ヴェーバーは、政治とは情熱と判断力を駆使しながら堅い板に力をこめてじわっじわっと穴をくり抜いていく作業である、としました。政治に携わっていると、権力争いに直面し、嫌な思いをすることも多々あります。しかし、その程度のことで挫けず、どんな事態に直面しても諦めずに挑戦するような人間でなければ政治家には向いていない、という意味のことを喝破しています。
この文章を書いている2023年3月半ば現在。高野区長が亡くなったことで豊島区には権力の大きな穴が開き、水面下で権力争いが起きています。
こうした状況下で私が中堅の地方議員として存在する意義は、後進に努力する姿を見せ、議員の質を向上させ、議会での議論を活発化させ、区民の政治に対する信頼感・安心感をもっていただくことではないかと考えています。政治への信頼感・安心感があれば、様々な政策の狙いが浸透しやすくなることにつながります。裏を返せば、そうした土台がなければ、どんなに表面上は良い政策に見えても上滑りしてしまいます。
自分自身の器を少しでも大きくできるよう努力し、実績を積み、情熱と判断力を駆使して、子供たちの世代へ責任ある政治を行っていく決意です。

応援いただける方募集中

上に戻る