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豊島区の財政状況について(1)

平成22年12月8日

日本の景気が足踏みを続ける中、2010年度の国の予算は遂に税収を上回る新規国債発行を余儀なくされました。
国だけではなく地方公共団体(地方自治体)の財政も同じように厳しい状況が続いていることは想像に難くありません。
2007年3月に夕張市が財政再建団体へ指定されて事実上財政破綻をしたことは記憶に新しいです。
では、豊島区の財政はどのような状況なのでしょうか?
今回は財政力指数を使ってみていきたいと思います。

財政力指数とは?

地方公共団体の財政力を示す指数のことです。
基準財政収入額を基準財政需要額で除して得た数値の過去3年間の平均値で算出でき、この数値が高いほうが財源に余裕があるといえます。

基準財政収入額とは、標準的な状態で徴収が見込まれる税収入を一定の方法で算定するもの。
基準財政需要額とは、合理的で妥当な水準の行政を行うために必要な財政需要を算定するもの。
特殊ケースではなくモデルケースで計算する、と思って頂ければよいです。

特別区は他の基礎自治体と制度が違うため(※1)地方交付税法の特例があります。
地方交付税算定に際し、東京都と特別区で基準財政収入額と基準財政需要額を合算して算出するよう規定されているために、各特別区個別の基準財政収入額と基準財政需要額は存在しません。
以下に示す特別区の財政力指数は、特別区財政調整交付金の算出に用いた基準財政収入額と基準財政需要額を使用しているため、他市町村とは比較できません

特別区財政調整交付金とは、都と特別区及び特別区相互間の財源の均衡化を図り、特別区の行政の自主的かつ計画的な運営を確保する目的で交付されます。
基準財政収入額が基準財政需要額を上回ると(指数が1.0以上)、不交付団体となります。
基準財政収入額、基準財政需要額は、あくまで一定の算式に従って弾かれた数字ですので、実際の歳入及び歳出額とは異なります。

※1
特別区は政令指定都市の行政区と違い、それぞれが基礎自治体です。
基礎自治体が持つ役割のうち、特別区の区域を通じて一体処理をした方がよいような上下水道や消防等の事務については、東京都が管轄しております。
東京都は現在、地方交付税の不交付団体ですが、仮に交付団体となっても特別区に直接地方交付税が交付されることはありません(都が一括して受け取る仕組み)

特別区財政力指数の一覧

東京特別区財政力指数推移


区名 H17 H18 H19 H20
1 千代田区 0.80 0.82 0.80 0.80
2 中央区 0.62 0.63 0.64 0.65
3 港区 1.13 1.21 1.19 1.20
4 新宿区 0.66 0.65 0.64 0.64
5 文京区 0.67 0.66 0.62 0.61
6 台東区 0.43 0.42 0.41 0.41
7 墨田区 0.34 0.34 0.35 0.36
8 江東区 0.41 0.41 0.42 0.43
9 品川区 0.52 0.52 0.51 0.51
10 目黒区 0.74 0.74 0.71 0.70
11 大田区 0.54 0.53 0.52 0.52
12 世田谷区 0.84 0.83 0.78 0.76
13 渋谷区 1.08 1.10 1.03 1.00
14 中野区 0.51 0.50 0.49 0.49
15 杉並区 0.67 0.66 0.64 0.63
16 豊島区 0.52 0.51 0.50 0.50
17 北区 0.35 0.36 0.36 0.36
18 荒川区 0.28 0.28 0.29 0.29
19 板橋区 0.43 0.42 0.42 0.42
20 練馬区 0.48 0.47 0.46 0.46
21 足立区 0.32 0.32 0.32 0.32
22 葛飾区 0.33 0.33 0.33 0.34
23 江戸川区 0.38 0.38 0.37 0.38

H20 財政力指数順位

NO 区名 財政力指数
1 港区 1.20
2 渋谷区 1.00
3 千代田区 0.80
4 世田谷区 0.76
5 目黒区 0.70
6 中央区 0.65
7 新宿区 0.64
8 杉並区 0.63
9 文京区 0.61
10 大田区 0.52
11 品川区 0.51
12 豊島区 0.50
13 中野区 0.49
14 練馬区 0.46
15 江東区 0.43
16 板橋区 0.42
17 台東区 0.41
18 江戸川区 0.38
19 墨田区 0.36
20 北区 0.36
21 葛飾区 0.34
22 足立区 0.32
23 荒川区 0.29

※東京都総務局行政部資料より作成

平成17~20年度では、港区、渋谷区のみが、特別区財政調整交付金の不交付団体でした。
平成20年度の財政力指数でみると、豊島区は23区内だと12位で中位に当たります。

財政力指数から見えてくるもの

財政力指数が高いとすなわち財政が健全だと思われる方もいらっしゃると思いますが、必ず一致はしません。

財政力指数が高いと歳入に占める特別区財政調整交付金の割合が低くなり、逆に財政力指数が低いと特別区財政調整交付金に頼る割合が増えます。
平成22年度予算案の歳入に占める特別区財政調整交付金をみると、港区の場合はゼロ、豊島区は29.2%、荒川区は44.9%に上ります。
特別区財政調整交付金に頼るということは自前の財源が少ないことを意味するため、財政力指数は高いに越したことはありません。
一方で、財政力指数が上がると特別区財政調整交付金の交付額が下がることになりますので、すぐさま全体の歳入額が増えるということにはつながりません。

平成22年度歳入予算(単位:100万円)

項目 豊島区 荒川区 港区
予算 割合 予算 割合 予算 割合
特別区税 27,493 28.65% 14,487 17.71% 62931 57.99%
特別区財政調整交付金 28,000 29.18% 36,700 44.88% 0 0.00%
その他交付金 5,495 5.73% 300 0.37% 9138 8.42%
財産収入、繰入金、繰越金 2,569 2.68% 6,528 7.98% 15211 14.02%
国・都支出金 22,732 23.69% 17,576 21.49% 12906 11.89%
特別区債 3,162 3.30% 1,561 1.91% 0 0.00%
その他一般財源・特定財源 6,502 6.78% 4,628 5.66% 8331 7.68%
合計 95,953 100.00% 81,780 100.00% 108517 100.00%

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財政力指数からみた豊島区の財政状況のまとめ

豊島区は財政力指数では23区内で中位ですが、財政力指数が高いのと財政が健全なのとは話が異なります。
財政力指数は、あくまで想定された収入額と支出額から導き出される数値です。
財政力指数が1.0に満たない場合、自前の財源が足りない分は特別区財政調整交付金が交付されます。
豊島区の歳入に占める特別区財政調整交付金の割合は平成22年度予算案で29.2%に上り、大きな財源となっております。
港区のように特別区財政調整交付金を交付されず、特別区債もゼロというのは理想的ですが、財政力指数を1.0以上にするのはなかなか難しい状況です(平成22年度予算では渋谷区も交付団体となっております)
財政力指数は、財政の足腰の強さをみる目安と考えればよいと思います。

財政力指数が中位の豊島区の財政状況ですが、実質公債比率(区の借金償還に要する経費が財政に占める割合)では23区内で下位に位置するなど、実は決して余裕はないのです。
これについては次回触れたい思います。